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諦める力【結論:勝てるところで努力すること】

2020-07-30

今回はマナブさん(@manabubannai)のYoutube企画です。

本はすでに結構読んでいて、課題図書の中にも持っている本があったので、早速記事にしてみました。

書籍「諦める力」について

為末大(著), プレジデント社

元陸上選手の為末大(ためすえだい)さんの著書で、自身の陸上経験から「諦める」という選択について書いている本です。

為末さんといえば、2001年に出場した世界陸上(カナダ・エドモント大会)の400mハードルでは、47秒89で日本記録を出し3位となりました。2012年には引退し、現在は、文筆家・スポーツコメンテーターなどの活動をしています。

このように、400mハードルのイメージが強いですが、全日本中学校選手権にて、100m、200mで優勝し、ジュニアオリンピックでも200mで優勝しています。しかし、その後思うように記録が伸びず、400mハードルへ転向してからは、既述のとおりです。

結果がでなくて、別の道を選んだ為末さんの選択を、「諦めた」と簡単に言ってしまう人は、「諦める」という意味をもしかしたら勘違いしているかもしれません...

本書によってその考え方は大きく変わることになります。

目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいい

目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいい

為末さんは本書でこう書いています。

手段を諦めることが諦めだと思っている。
目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいい。

為末さんの場合は、目的が陸上で勝つことです。

だから100mでも400mハードルでも同じことなんですね。

100mを諦めたわけではなく、陸上で勝つという目的のために、手段を変えただけ。

この考え方って意外とできていない人が多いと思います。

特にスポーツにおいては、精神論が持ち出され、諦めるという考え方は敬遠されがち...

それでも、自分の信念を貫くという選択ができたことは、明確な目的を持っていたからだと言えますね。

もちろん、400mハードルへと転向したことについて、周りから何も言われなかったわけではありません。

それでも、

100mで決勝にも出られない人間と400mハードルでメダルを取れる人間。どちらに価値があると思えるか。

そう考え、自分の選択を貫いたからこそ、400mハードルで結果を残せたと言っても過言ではないでしょう。

一番になる方法を考える

一番になる方法を考える

日本人は特に、誰かの作ったものさしに縛られています。

例えば就職活動を例にとっても、思考停止してみんなが狙う「いい会社」に入ろうとしていませんか?

これは、誰かが作った就職希望ランキングに縛られているとも言えます。

でも「いい会社」に入ることは果たして自分にとって成功に近づくのか、考えて欲しいです。

それ以前に、「いい会社」に入ろうとするのは、何が成功なのかも分かっていない場合が多いと思います。

日本人は人から選ばれようとしすぎ、人に受け入れてほしいと思いすぎ。

「どこで勝つか」より「何が勝ちか」をはっきりさせましょう。

  • 自分の体型に向いているスポーツをつくろう
  • 俺が一番になれるスポーツをもっと普及させるにはどうしたらいいか
  • 自分に向いている仕事をつくってしまおう
  • 自分が一番になれる仕事って、たとえば何だろう

このように考えるのが大事です。

努力が苦痛ならその選択は間違い

努力が苦痛ならその選択は間違い

「諦めなければ夢はかなう」

という言葉をよく聞きます。

オリンピックのメダリストのインタビューでもみんな口を揃えてこう言います。

しかしその裏には、努力を諦めなかった何万人ものアスリートがいるけど、それでも結果が出ないのが現実...

もちろん努力は大事だし、努力なしに成功を手にすることはできません。

その努力が苦痛なのだとしたら、それは間違った努力かもしれません。

好きなことなら努力は苦痛ではない。

イチロー選手が毎日何万回も素振りをしていたのは、苦痛だけど努力していたのでしょうか?

おそらく楽しくてバットを振っていただけでしょうね。

苦痛のなかで努力しているときは、頑張ったという感覚は強くなるし、こころの支えになるけど、頑張ったという満足感と成果は別物です。

どうせ努力が必要なら、苦痛を伴う努力ではなく、努力が楽しいと思えることの方が、結果は出やすいです。

日本人は、負けが見えていても頑張ることが尊いとされ、逆に計算高いことをマイナスに捉える傾向があります。

これを、「将来のことまでよく考えている」「限りある人生を納得行くように生きている」と言い換えてみるといいかもしれません。

まとめ

諦めるという言葉の認識がガラッと変わった本でした。

おそらくスポーツ選手は、「諦める」という選択がもっとも批判されやすい職業です。

それでも諦めることを選んだ為末さんは、他人の評価に流されず、何が自分にとって勝ちか?という自分のものさしによる冷静な判断だったと思いました。

まさに限りある人生を納得行くように生きるために、手段を変えただけといえますね。

本記事で紹介したのは、ほんの一部です。

アスリートを通して得た体験などを元に書かれていますが、特にビジネスにおいて役に立つ本です。

おそらくほとんどの人ができていない考え方ではないでしょうか?

「頑張っているのに成果がでない。」

そういう人に、少し立ち止まって読んで欲しい一冊でした。

為末大(著), プレジデント社

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