本記事は、書籍「革命のファンファーレ」の書評になります。
簡単な本の内容、読んだ感想、どんな人におすすめかを書いています。
「革命のファンファーレ」の内容
えんとつ町のプペル、魔法のコンパス、そして本書「革命のファンファーレ」
数々のヒット作を生み出した、西野亮廣さん。それぞれの作品はもちろん内容も素晴らしいですが、特筆すべきはその販売戦略にあります。
内容が良くないと売れないのは当たり前ですが、もっと重要なのはその売り方。
えんとつ町のプペルを売り出すにあたって、西野さんはディズニーを超えると宣言しました。
そこまで言ったからには、普通の売り方では絶対に売れません。
そこで多くの販売戦略を仕掛けるわけですが、本書ではその戦略のひとつひとつが詳しく解説されています。
本書で書かれているのは絵本の売り方ですが、これからの時代を生き抜くための重要な考え方でもありました。
特に、
「これからはお金ではなく信用を稼ぐ時代」
西野さんは本書でこのように語っています。
この言葉を聞いてピンとこない人は、もしかしたら考え方が古い人かもしれません。
「革命のファンファーレ」を読んだ感想
絵本「えんとつ町のプペル」の販売戦略本といってもいいくらい、どのようにベストセラーを叩き出したのかが分かる本でした。
この本に書かれているのは絵本の売り方だけど、それはほかのビジネスにももちろん応用が効くなーと感じました。
本書の中で自分が感心した部分を2つだけ紹介します。
絵本の無料公開
絵本業界は他の業界とはまた違った場所で、それなら絵本業界にあった販売戦略が必要です。
絵本業界がどういうところかを分析したところ、絵本業界は新陳代謝が起こりにくいということが分かりました。
どういう事かというと、絵本業界では新しい本がでても、過去の名作には勝てないということです。
これは作品が悪いのではなくて、絵本というものの性質がそうさせているのです。
絵本は子供に読み聞かせをするために、親が買うものです。
ただ、新しい絵本を探す時間は忙しいお母さんにはないから、昔からある名作を選ぶという安全策をとるしかありません。
実際に絵本業界の売上は95%がロングセラーの作品で、5%が新刊というデータもあるくらい、絵本業界全体の大きな問題でもあります。
だから、まず作品を知ってもらうために、前代未聞の絵本の無料公開に踏み切ったのだそう。
ハロウィンをハックする
- コカ・コーラ社の都合でサンタクロースの服が赤いように
- バレンタインデーにチョコレートが当たり前のように
「ハロウィンといえばプペル」となるように行事のアイコンにしたい。
もともとハロウィンは、特に渋谷において、翌朝の大量のゴミが問題視されていました。
これは偶然ですが、プペルはハロウィンの日にやってきたゴミ人間。もうひとりの主人公「ルビッチ」は煙突の掃除屋。
こんなにリンクしているならいっそのことハロウィンのアイコンにしてしまえということで、絵本に出てくる街を渋谷に寄せて1から作り直したとか...
思いついてもなかなか実行できないし、プペルの制作は多くのスタッフでの完全分業制。
どれだけの人を巻き込む提案になるか用意に想像がつくがそれをさらっとやってのけてしまうのも、西野さんの「信用」があってのことだと感じました。
「革命のファンファーレ」はこんな人におすすめです
えんとつ町のプペルの販売戦略
- なぜ無料公開したのか
- 著作権を放棄した理由
- 無料公開されたものが縦スクロールの理由
- 絵本が正方形をしている理由
- 西野さん個人が1万冊を買った理由
- 絵本制作にあたってクラウドファンディングを利用した理由
えんとつ町のプペルの販売にあたってこれだけ多くの仕掛けをつくり、えんとつ町のプペルは売れるべくして売れたと言えます。
絵本業界という土俵、インターネットという環境、信用の重要性、これらを巧みに利用した広告戦略は、コロナ時代を生き抜くためにあるといっても過言ではないでしょう。
これは余談ですが、本書には本の表紙カバーを外すと見えるとある仕掛けが...
こんなとこにも仕掛けているのは、西野さんならではだと思いました。
気になる方は、ぜひ本書を手にとってみてください。
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